2011年05月26日
かどや食堂
熊本で生まれ二歳で尼崎市の北西、時友に越してきた。
縁あってか幼少にいた時友にほぼ毎週通っている。
二年前、母が時友近くの特別養護老人ホームに入ったので時友に通うことになった。
昭和37当時はまわりは田畑と住宅がまばらだった。
時代はこれから始まる高度成長前夜で、公設市場や大衆浴場は人で賑わっていた。
時友市場は肩がぶつかる賑わいで、よくジャコをパちって食べてたのが懐かしい。
今、市場はすべてシャッター、1件も開いていない。
銭湯も今はない。
老人ホームの帰り、バスの時刻がかなり開いていた。
この近くに子供のころよく食べに行った、その当時でもめちゃくちゃ安いうどん屋「かどや食堂」は今あるのか、
探してみることにした。
おそらく周りの市場も銭湯も消えたこの町に
超格安の小さなうどん屋が生き残れるはずはないだろうと期待薄で探してみた。
棟続きのお店はやはりシャッターが閉まってる。
うどん屋の右隣はたしか貸し漫画本屋、当然今はない。
やはりあのうどん屋もこんな時代に生き残れないわなぁと、足をすすめる。
シャッターに囲まれてそのうどん屋ののれんが風になびいていた。
ナ、ナント開いてたのだ!
店は記憶どおりの暗さだが思ったより広い。昔はもっと狭かったはず。
客はおばちゃんが一人、この時期になんと鍋焼きうどん。
店員はいない。鍋焼きおばちゃんが「お客、来たデェ~!」と叫んだ。
奥から出てきたのはおそらく娘さん、私と同じ年代だろうか。
壁のメニューはやはり昔と同じうどんの各種だけ。
おでんにビールでゆっくり懐古したかったが、おかずもめしも酒もない。
きつねうどん270円を頼んだ。
昔はかけが25円か50円だった。
出てきたうどんはしゅる(汁)が透明でダシがきいててあっさり味。
きつねはあまり甘辛く煮込んでないいわゆる手抜きだがシンプルでいい。
お店の前の市営団地も店の前も人がいない。
さわやかな風が、汗ばんだ体に心地よかった。


縁あってか幼少にいた時友にほぼ毎週通っている。
二年前、母が時友近くの特別養護老人ホームに入ったので時友に通うことになった。
昭和37当時はまわりは田畑と住宅がまばらだった。
時代はこれから始まる高度成長前夜で、公設市場や大衆浴場は人で賑わっていた。
時友市場は肩がぶつかる賑わいで、よくジャコをパちって食べてたのが懐かしい。
今、市場はすべてシャッター、1件も開いていない。
銭湯も今はない。
老人ホームの帰り、バスの時刻がかなり開いていた。
この近くに子供のころよく食べに行った、その当時でもめちゃくちゃ安いうどん屋「かどや食堂」は今あるのか、
探してみることにした。
おそらく周りの市場も銭湯も消えたこの町に
超格安の小さなうどん屋が生き残れるはずはないだろうと期待薄で探してみた。
棟続きのお店はやはりシャッターが閉まってる。
うどん屋の右隣はたしか貸し漫画本屋、当然今はない。
やはりあのうどん屋もこんな時代に生き残れないわなぁと、足をすすめる。
シャッターに囲まれてそのうどん屋ののれんが風になびいていた。
ナ、ナント開いてたのだ!
店は記憶どおりの暗さだが思ったより広い。昔はもっと狭かったはず。
客はおばちゃんが一人、この時期になんと鍋焼きうどん。
店員はいない。鍋焼きおばちゃんが「お客、来たデェ~!」と叫んだ。
奥から出てきたのはおそらく娘さん、私と同じ年代だろうか。
壁のメニューはやはり昔と同じうどんの各種だけ。
おでんにビールでゆっくり懐古したかったが、おかずもめしも酒もない。
きつねうどん270円を頼んだ。
昔はかけが25円か50円だった。
出てきたうどんはしゅる(汁)が透明でダシがきいててあっさり味。
きつねはあまり甘辛く煮込んでないいわゆる手抜きだがシンプルでいい。
お店の前の市営団地も店の前も人がいない。
さわやかな風が、汗ばんだ体に心地よかった。


Posted by 渡邉郁夫 at 19:01│Comments(5)
│グルメ
この記事へのコメント
ええな~。うどんも「にゅるにゅる」やろ?
最近、四国うどんの台頭でシコシコが多いから難儀してます。
「ええかげんな店のええがけんな料理」
本当は、これが一番精神的に贅沢です。
理想はやね、この店にビールがあって、鍋焼きうどんを注文。上の具だけでビールを飲んで、小腹が空いた頃に、店の人に頼んで温め直してもらう。そんな食べ方です。
最近、四国うどんの台頭でシコシコが多いから難儀してます。
「ええかげんな店のええがけんな料理」
本当は、これが一番精神的に贅沢です。
理想はやね、この店にビールがあって、鍋焼きうどんを注文。上の具だけでビールを飲んで、小腹が空いた頃に、店の人に頼んで温め直してもらう。そんな食べ方です。
Posted by 載菊 at 2011年05月27日 12:29
時友で
時うどん
きつねではなく
けつねうどん
冷やっこの薬味のねぎをあてに
酒を呑む。
六代目 松鶴のような風景ですな。
時うどん
きつねではなく
けつねうどん
冷やっこの薬味のねぎをあてに
酒を呑む。
六代目 松鶴のような風景ですな。
Posted by 火の玉の”何時”領五郎 at 2011年05月27日 22:20
尼めし無頼帳
執筆準備の雰囲気が
漂ってきましたな
執筆準備の雰囲気が
漂ってきましたな
Posted by 天王寺参り at 2011年05月28日 11:30
そうそう、昔は商店街の乾物屋で山積みのジャコを勝手に食べてたわ。
Posted by 懐かしい at 2011年05月30日 12:19
「尼めし無頼帳」
これ本当に書けたらすごいで。
よく関東の濃口と関西の薄口とかいうけど、そんなことよりも、現在日本人の味覚を形成して価値観を一変したのは、尼崎です。
尼崎が日本中に広めたもの
「ウスターソース」と「チョコレート」
どちらも横綱クラスの味です。
これほんまやで~。
これ本当に書けたらすごいで。
よく関東の濃口と関西の薄口とかいうけど、そんなことよりも、現在日本人の味覚を形成して価値観を一変したのは、尼崎です。
尼崎が日本中に広めたもの
「ウスターソース」と「チョコレート」
どちらも横綱クラスの味です。
これほんまやで~。
Posted by 角がカドヤで隣が夫婦喧嘩をスルガヤで at 2011年05月31日 13:39