長野の小布施にオナミ、メナミ

渡邉郁夫

2010年12月10日 19:41

長野県小布施。
栗で有名だが、それ以上に観光客の誘致に成功した理由が閑静な街並み。
古い建物の外観を残しながらも、お洒落に改造したお店がたくさんあること。
そしてこの地に「北斎館」がある。

北斎齢80代半ばに、郷土の豪商高井鴻山に可愛がられ、逗留した小布施。
この地で肉筆の男浪図、女浪図、 祭の山車の天井画を描いた 。
北斎館それらが見れる。

波を男の波と女の波に描き分けたその独創性。
波の表現はかの傑作「神奈川浪裏沖」を思わせるデフォルメな表現。


北斎を見てると世の中には天才がいることがわかる。
「冨嶽三十六景」は当然のこと、肉筆画、西洋絵画の表現を加えた浮世絵、
遠近法を取り入れた浮世絵、春画、人間観察百科事典?の「北斎漫画」など
その創作範囲の広さと質の高さでは他の追随を許さない。

我が愛しの画狂人、北斎。
彼はたしかにこの地にいた。

なんだか少しうれしくなった。



春画の名作『喜能會故眞通(きのえこまつ)』。世界一のエロ漫画だ

 小布施には古い屋敷があちらこちらに見える

 北斎館。思ったより小さい美術館

 見よ!山車天井画は肉筆の鳳凰と龍

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